北朝鮮やさぐれ記

金明俊 =著者

 

ペーパーバック(オンデマンド)/2,430円/2022.09.26

 

北朝鮮という社会が激変するのは、やはり1994年の金日成の死の前後「苦難の行軍」と呼ばれる飢餓の時代が訪れてからである。北朝鮮の全体主義体制の本質は建国以来何も変わってはいないが、少なくともそれまでは最低限の食糧配給だけは行われていた。それが完全に途絶えたのは、ミョンジュンによれば1993年、金日成の死の直前からである。ソ連をはじめとする共産主義体制の崩壊、核開発と軍拡による北朝鮮経済の崩壊など、様々な要素が、配給制度を含む統制経済の崩壊と、全土の飢餓をもたらした。著者の家は、日本の家族からの仕送りを命綱とするしかなかったし、すでに不登校に近かったミョンジュンだが、この時期からは、学校に行く暇があれば商売をして稼がねばならなくなった。

逆に言えば、まさに原始的な闇市経済がこの90年代末から出現し、ただ配給の復活を待つだけの人々は餓死するしかなく、それまでの統制経済を無視し、法を破ってでも、自由な経済活動を選んだ人々は生き延びるチャンスを得たのである。本書でミョンジュンが(失敗を繰り返し、また騙されつつも)北朝鮮では初めての「商売」を展開する姿は、この国が新しい段階に入った時の貴重な記録として読むことが出来る。非合法や闇商売も、そこで飛び交う窃盗や博打も、若者たちの縄張りの奪い合いとそれにまつわる暴力沙汰も、私たちの目からいかに非常識に見えようとも、北朝鮮社会における「自由」の出現ではあるのだ。(解説より抜粋)


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