※データ部分は下記のような構成です。
(シリーズ巻名など/)判型/ページ数/本体価格(税抜価格)/発行年月/ISBNコード(下4桁)+分類コード

脱北者

韓元彩/著
李山河/訳

朝鮮から逃げられなかった男―。

 

政治的抑圧と飢餓から逃れるため、命がけで中国との国境を越える【脱北者】。北朝鮮に送り返された【脱北者】は拷問を受け強制収容所に送られるか、死刑に処せられる――。奇跡的に三度の越境をした著者が、その凄惨な体験をもとに北朝鮮の実態を告発。

A6判上製/288P/本体1200円/2002.6/306-5 C0036

 


第一章・はじめての監獄生活 13

  • 連行/会寧市保衛部監房/悲しい食事/過酷な取調べ/中国朝鮮族の同胞愛/亡命の願い/虚偽の陳述/馬糞紙の自白書/燃え上がる反抗心/保衛部か警察か/会寧市警 察への移管/三号監房五七番/監房内の規律/監房の囚人たち/越境者の運命/「先生様」の横暴/「ポンプ五〇〇回!」/鉄窓のなかの自由/囚人たちの日課/賄賂/コッチェビ哀歌/人民軍白山哨所監房へ/私服姿のデブ軍官/まったく同じ尋問の手法/哀れな人民軍兵士/隣室の囚人/テコンドーの稽古台/盗っ人軍人

第二章・第二章 脱走 00

  • 護送ドライブ/車窓の外の現実/人民の食糧確保/投獄された青年兵たち/清津市保衛小隊監房の短い夜/上等兵の手相占い/果てしなくつづく鉄条網/にせものの国/連合企業所保衛部長との再会/秘密工作員という過去/後ろめたさ/上級保衛員の威嚇/強盛大国建設の虚構/時間かせぎ/脱走決!/決死の逃亡/「解放された朝鮮」列車/行商する人びと/鴨緑江を越えて/ふたたび中国の地に立つ

第三章・第三章 この世の地獄 00

  • ふたたび囚われの身に/満江国境警備隊監房/ゴム棒の鞭/名前は金元一/高圧電気棒の拷問/人買い商人/悲憤の一八日間/無力な子羊/満江派出所長の人間愛/家族コッチェビ/両江道保衛部監房/蚤と虱の襲撃/コッチェビになりすます/「先生様、助けて!」/両江道警察集結所/眠れぬ日々/集結所の朝/空腹のもの悲しい脱力感/威嚇と殴打の取調べ/指と引換えのつかの間の休息/思想闘争会議/昏倒する女性/うすのろ呼ばわり/殺すなら殺せ/「オートバイ」の処罰/奴隷労働/「ヘリコプター」の処罰/血ぬられた集結所生活

第四章・第四章 呪縛を抜けて 00

  • 死への護送/奇跡の脱出/親戚との再会/豆満江へ/希望の光
  • 原稿入手の経緯と韓氏その後
 
  ハン・ウォンチェ

一九四三年、咸鏡南道咸興市生まれ。一九六七年、咸鏡南道咸興市咸興化学工業大学卒業。朝鮮人民軍後方総局直属吉州パルプ連合企業所設計室に設計員として勤務、一九七四年からは保衛部秘密工作員を兼務。韓国への亡命を求めて家族とともに脱北するが、二〇〇〇年九月に北朝鮮に送還されて拷問を受け、死去。

イー・サンハ…

愛知県出身。朝鮮半島から渡日した父と日本人の母の間に生まれる。社会主義祖国北朝鮮に憧れ、帰国すべく新潟日赤センターまで行くが「流れている血が卑しい」(母親が日本人だから)という理由で拒絶される。北朝鮮に渡った級友のことを思い、脱北者への支援を行なう。現在、中国、ロシアに潜む脱北者を救う組織「北朝鮮難民救援基金」で活動中