~荒廃した北朝鮮の地の切々たる家族愛~
私の娘を100ウォンで売ります

張真晟 =著者
ユン ユンドウ =訳者

尹隆道 =発行者


四六並製/248P/本体1500円/2008.08.15/341-6/C0098

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三〇〇万人の死が生んだ詩集
一九九五年から一九九八年の間に、すぐ近くの北朝鮮で三〇〇万人の人民が餓死
体制が崩れ始めてやっと明かされはじめた真実
韓国の太陽政策によって北に送られた一〇〇億ドルはどこに行ったのか?
世界や日本の援助はどこに消えたのか?

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<目次> 

米 飯 賛 歌
配給所
わたしたちの ご飯は
スプーン
飯粒
ご飯が残ったよ
わたしたちは ご飯を 食べる
まっかな 嘘
ご飯と言えば
三食と 三日
将軍様の チェギバプ

わたしたちは こうして 死んだ
隣の家
この世で 一番おいしいものは
その女
戸を 叩く 音
夢で 見た 父
林檎の木の 家
こどもの 夢
終着駅
出席簿
彼らの 最後の 顔
われは 殺人者
宮殿

生きるのではなく 生き残ること 
家族の 心情
乞食の願い
歯磨き粉
ペットボトル
水売り
日曜日に

梅雨
孝行娘
燃える大豊作
糞の値
印塘水
願い
わたしたちの 暮らしは
わたしの 娘を一〇〇ウォンで 売ります
前途が険しくても 笑顔で進もう
因縁
史跡碑
ホタル
?と!
容赦は 多くのことを 教えてくれる
花輪
空腹だと いいこと
タバコの吸殻

人権のない所には 救済米もなかった
海の かなたの 人々
今も
死刑囚
空っぽの 空
鋼鉄
代用人間
稀世の将軍
布告文
救済米と 言うな
静寂

脱北者、わたしたちは先にきた未来 
わたしたちの 離別
豆満江を 越えて
わたしたちは 祖国を 見捨てていない
ウリマル
太極旗を 見たとき
住民登録証 番号
コーヒー代
アリラン
三月 十二日
夢ででも 願う夢
半世紀を 越えて

憎い 線
脱北者

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<著者プロフィール>


◆ 張真晟 プロフィール

張真晟(チャンジンソン)は、「わたしの作家」と北朝鮮の金正日から呼ばれるほど、
一世を風靡した若い北朝鮮の詩人だった。
最も貧しい国に最も富裕な王がいるということを知ったとき、彼は脱北を決意する。
2004年に北朝鮮と中国の国境を流れる豆満江を渡る。幅数メートルしかない河を渡りながら、腹が立ってしかたがなかったという。
こんな近くに自由があるのに、われわれはこんなにもしんどく生きていると、
恨めしかったと、詩人は回想している。